突然痛みに襲われて動けない。それがギックリ腰(筋筋膜性疼痛)!

2023年7月25日 腰痛

普段の生活のなかで、ぐきっと腰に衝撃が走り、強い痛みが生じて動けなくなるのがギックリ腰です。特別な動きをしたからなるものではなく、原因は人それぞれ異なることが特徴です。

骨折などのように、骨が折れたから痛むという端的な要因ではなく、いくつかの要因が重なって発症するもののため、日頃の生活習慣が発症へとつながっていることもあります。

今回は、ギックリ腰になる原因と対処法や治療について紹介していきます。再発防止対策もあわせてまとめているので、ぜひ目を通してください。

ギックリ腰とは

突然の強い痛みをともなう腰痛のことを広くギックリ腰といいますが、その原因は大きく分けて3つあります。

ただし、ひとつの原因による発症ではなく、複数が絡み合って体が限界を超えたために発症するケースが多いです。はじめに、発症原因から見ていきましょう。

原因

ギックリ腰は、正式には筋筋膜性疼痛といいます。ギックリ腰は、体に急に負荷をかけたことがトリガーとなっての発症が多いです。そのほかに、日常生活の習慣が原因になることがあります。

突然の高負荷

年齢に関係なく、体に大きな負荷をかけたときに発症することが多いです。たとえば、高いところから飛び降りて着地した瞬間や、横になっている状態から勢いよく起き上がる、重たいものを勢いよく持ち上げるなどが挙げられます。

こうした体への急な高負荷をかけたとき、腰に急激な負担がかかって、ギックリ腰が発症します。

筋肉の疲れ

日頃から中腰での作業が多い場合、普段から腰に負荷をかけている状態となり、慢性的な筋肉疲労が蓄積されていきます。筋肉疲労自体は自覚があったとしても、日々解消できないでいると、少しずつ疲労が溜まります。

疲労が蓄積しつづけ許容量を超えてしまうと、普段と同じ作業をしているにもかかわらず、ある日突然発症するケースがあるでしょう。筋肉疲労のみが原因ではなく、疲労を回復させるための睡眠や食事が摂れていない場合も影響します。

また、筋肉疲労というと肉体労働によるものと捉えがちですが、1日中座りっぱなしなど、同じ体勢でいる場合も筋肉の回復ができず、疲労を蓄積させる原因となります。

体の歪み

生活習慣により生じた骨格の歪みが原因で、筋筋膜性疼痛を引き起こすことがあります。たとえば、デスクワークで座りっぱなし、立ちっぱなしで前かがみで作業するなど、体をまんべんなく動かさずに偏った動きが多い場合は、骨格そのものが歪んでしまうのです。

骨格が歪むと、それにともない筋肉も偏った発達をすることがあり、骨格を支えようとするあまり、部分的な筋肉に負荷がかかるといった状況に陥ります。

そうなると、左右のバランスが崩れてしまい、バランスを取るために周辺筋肉に負荷をかけるといった、負のループに陥ってしまうでしょう。

体の歪みによる筋肉のアンバランスは、筋肉疲労を蓄積させることはもちろん、自力での回復はなかなか難しく、コリやしびれなどを引き起こすこともあります。疲労が蓄積して限界を超えた場所が腰だった場合、ギックリ腰になるのです。

万が一、激痛で身動き取れない状態になった場合は、周囲に助けを求めて対処してください。次は、発症してしまった場合の経過を解説していきます。

ギックリ腰の経過

ギックリ腰になると、激痛で身動きが取れない状態になることはわかりました。痛みがいつまで続くのか、いつ頃回復するのかが気になるところです。ここでは症状の経過にふれていくので、一応の目安としてチェックしておきましょう。

発症直後

発症直後は激しい痛みのため、自力で起きることや、寝返りをうつことも難しい状態になります。この激しい痛みは、当日から翌日にかけて続くので、無理せず腰に負担がかからない体勢で安静にしましょう。

翌日から3日後

翌日から3日後になると激しい痛みは少し引いてきて、ゆっくり歩けるようになります。ただ、痛みはまだ残っているので、くれぐれも無理はしない程度を心がけましょう。

また、時間の経過とともに痛みがやわらいできたら、徐々に普段通りの生活に近づけていきます。まだ痛みがあったとしても過剰に安静にする必要はなく、無理のない範囲で動くようにしましょう。

1週間後

痛みはほとんど引きますが、無理をすると痛みが戻る可能性がある状態です。日常生活や仕事はできるものの、注意しながら過ごすようにしましょう。

1か月後

1か月もすると痛みはなくなり、発症前と同様の生活に戻れます。再発の予防を心がけながら過ごしましょう。

今すぐできるギックリ腰の対処法と治療

ギックリ腰を発症して強い痛みが出るのは、体の限界を超えた状態であり、休息の必要性を訴える体からのSOSです。

回復までには、週に2~3回の施術ペースで2週間程度の時間を要します。ここでは、経過別に適した対処法と、治療について解説していきます。

発症直後の動けないとき

発症直後で激しい痛みがあるときは、無理に動かず安静にすることが大切です。ひとりで動くことが困難なため、周囲の人に協力してもらいましょう。

また、痛みが強く辛いときは、患部を冷やすことも有効です。揉んだりせず、アイシングで痛みが引くのを待ち、施術ができる段階になるまでは安静にしておきましょう。

動けるようになってきたとき

ギックリ腰発症から翌日以降は、徐々に痛みが引いてきます。腰に過度な負担がかからない範囲で動きましょう。また、痛みが落ち着いてきて大体動けるようになってきたら、骨盤矯正や骨格矯正などの施術をおすすめします。

骨盤矯正や骨格矯正を受け始めた後は、症状も回復してきます。そうなったら積極的に動くよう心がけ、自宅でも普段と変わらない生活に戻れるよう生活してみてください。

また、動けるようになってきたとはいえ、まだ痛みが残っているために、もう少し安静にしたほうがよいのでは?と感じる方もいるでしょう。しかしギックリ腰の場合は、痛みが弱くなってきたタイミングで積極的に動く方が治りも早まり、慢性化の予防にもつながります。

痛みが強いとき

発症後まもなく痛みが強いときは、アイシングと併用して鎮痛剤を飲むことも有効です。コルセットを持っている方は、痛みがある程度弱まるまで使うのもよいでしょう。

ただ、鎮痛剤もコルセットもあくまで一時的な使用としましょう。長期間の使用、あるいは痛みが引いても使用することはNGです。とくに、コルセットの長期間使用は筋力が衰えて、腰痛の再発や慢性化の原因となります。

また、強い痛みを早く軽減させたいときは、筋スラッキング療法を受けることも検討してみましょう。筋スラッキング療法とは、電磁石の反発を利用した専用機器を使い、腰の深部から筋肉をほぐし、血行を促進して患部の回復を促す施術です。

血液・リンパ液・間質液などの体液の循環をよくすることで、発痛物質の排出を促すので、痛みの軽減にもつながります。筋スラッキング療法と、鎮痛剤やコルセットなどの併用もOKです。

安静にしているだけでは不安があり、痛みが強くて眠れないといった場合には、こうした施術をおすすめします。

ギックリ腰の再発予防には

ギックリ腰は、普段の生活のなかで再発するおそれがあります。発症時のあの激痛を再度味わうのは、誰でも嫌なものでしょう。

そこで、自分でできる再発予防対策として、いくつかポイントを紹介します。日々の生活に少し取り入れるだけでもよいので、ぜひ実践してみてください。

腰に負担をかけない

腰に負担をかけるような作業は、日頃から控えるよう意識してください。可能であれば中腰になるのを避け、重たい荷物を持たないようにすることが望ましいですが、仕事上そうした行動を回避しにくい方もいるでしょう。

その場合は、中腰の姿勢を続けた後や疲労を感じたときに、積極的にストレッチを行いましょう。また、重たい荷物は複数人で持つなど、急激な負担につながることは極力避けてください。

また、デスクワークなどで長時間同じ姿勢が続く場合は、1時間ごとに休憩をとって体を動かすことを意識し、背中から腰にかけて、腰から下半身にかけてストレッチをするのがおすすめです。

エクササイズなど運動する

普段から運動する習慣がない場合は、軽いエクササイズなどで少しずつ運動するよう心がけましょう。激しく息切れするような、激しい運動でなくても構いません。

ドローインなどインナーマッスルを鍛えるものや、背中からお尻、お尻から下半身にかけての筋肉を動かすエクササイズがおすすめです。たとえば、仰向けに寝て膝を立ててお尻を上げるストレッチなら、自宅で隙間時間にでき、テレビを見ながらでも可能です。

そのほか、骨盤付近をやわらげて可動域を広げるストレッチや、普段から散歩や軽くジョギングするのもよいでしょう。

日常的に運動することは、筋肉を鍛えるばかりでなく、生活リズムを整えることにもつながります。その結果、肥満予防にも効果的なので、ぜひ取り入れてみてください。

適度な運動は、反り腰や猫背などの姿勢不良にも効果的です。ギックリ腰にもつながるおそれのある姿勢不良の原因や対策について、こちらの記事もぜひお役立てください。

ストレスを溜めない

ストレスが溜まった状態は、痛みなどの刺激に敏感になります。また、暴飲暴食など生活リズムを乱すきっかけにもなり、体重が増えると腰への負担も増加します。

毎日の生活のなかでストレスにさらされる機会が多いなら、自分の好きなことをする時間を作ってリラックスの機会を取るほか、体を動かして発散できるよう取り組んでみてください。

内臓や筋肉に効果的な食事を摂る

ギックリ腰の予防対策として、毎日の食生活を見直すことも挙げられます。一見すると食事と腰につながりが見えませんが、内蔵のストレスを減らすことは、腰を支える筋肉への負担も軽減します。

そのため、脂っこいものや甘いもの、過食はできるだけ避けて、消化がよく筋肉にもよい食事を心がけましょう。とくに鶏の胸肉やささみなど、脂質が少なくタンパク質を多く含む食品は、筋肉の合成に非常に効果的です。

まとめ

今回は、ギックリ腰について原因や治療・対処法、予防対策を紹介しました。発症したときの激しい痛みは、どんなに体が丈夫な人でも身動きとれないほどの激痛です。回復するまでには時間がかかるので、できることなら発症しない状態をキープしていきたいものです。

もしもギックリ腰を発症してしまったときは、安静を第一に、鎮痛剤やアイシング、筋スラッキング療法などの併用がおすすめです。また、痛みが引いてきたら、骨盤矯正や骨格矯正などの施術を受けながら、積極的に動くようにしましょう。

腰痛Laboはちおうじでは、ギックリ腰への施術にも対応しています。再発防止に向けた施術や日常生活におけるアドバイスもお任せください。ギックリ腰を克服して、アクティブな生活を手に入れましょう。