ダムにはなれない体。浮腫み(むくみ)のメカニズムや解消法

2023年7月25日 その他の症状など

「デスクワークや立ち仕事で足がパンパンになる」「朝起きたときに顔の浮腫みが気になる」など、浮腫みで悩むこともあるでしょう。浮腫みはよく聞く言葉ですが、そのメカニズムや解消法を正しく理解していますか。

浮腫みに関して間違った認識を持っていては、なかなか症状が改善しないばかりか、危険な病気のサインを見逃してしまうかもしれません。今回は浮腫みとは何か、そのメカニズムや、自宅でもできる解消法を紹介します。

浮腫みとは

浮腫みとは、何らかの原因で体に余分な水分がたまった状態を指します。細胞と細胞の隙間にある間質に水がたまり、増加した状態です。

血液内の水分や間質を満たす水分には、細胞に栄養を届け、老廃物を除去するなどの役割があります。しかし水分の流れのバランスが崩れると、浮腫みが引き起こされてしまうのです。

重力がはたらくことで、水分は体の下の方へたまりやすくなるため、下腿に浮腫みが見られることが多いでしょう。

メカニズム

血液やリンパと間質の間では、常に水が移動している状態です。浮腫みは、主に血行不良によって引き起こされます。たとえば立ったままや座ったままなどの状態が長く続くと、足の血流が低下して、浮腫みが生じやすくなるのです。

血液には、体のすみずみに酸素や栄養を届ける役割や、細胞でつくられた二酸化炭素や老廃物を回収する役割があります。血液は心臓へと戻っていきますが、筋肉が動くことで血流を促進します。

たとえばデスクワークなどで同じ姿勢が続き、筋肉を使わずに動かない状態が続くと、血行不良となって足などに浮腫みが現れるのです。

浮腫みが起きやすい生活習慣

日常の過ごし方や食事習慣によっては、浮腫みが生じやすい状態になっている可能性があります。必ずしも浮腫みの原因になっているとは限りませんが、以下に紹介するような生活習慣がある場合は注意が必要です。

まず、塩分の摂りすぎが挙げられます。体には、体内の塩分濃度を一定に保とうとする機能があるため、塩分を多く摂ると塩分濃度を薄めようとして、体内に水分をため込むようになるのです。

アルコール類の飲みすぎも、浮腫みが生じやすくなるため注意しましょう。アルコール類を摂取しすぎると、血液中のアルコール濃度が上昇し、血管が拡張して、水分の流れのバランスが乱れてしまいます。

睡眠不足も血流を悪くする原因のひとつです。睡眠不足によって疲れがたまると血流が悪くなり、血液中の水分や老廃物がたまりやすくなります。また、立っている状態だと水分は足の方にたまりがちですが、横になることで足にたまった血液が循環します。

また、運動不足になると筋力が低下し、血流が悪くなって浮腫みやすくなります。足を使う運動をして筋肉を動かすなど、適度な運動が必要です。

慢性的な浮腫みは病気のサイン?

さまざまなことが原因で浮腫みが生じますが、なかには病気のサインである場合もあります。慢性的な浮腫みに悩んでいる場合は、以下に挙げたような病気の可能性もあるため、注意しましょう。

心臓

心臓には、全身に血液を循環させるポンプのような役割があります。心臓の病気のひとつに心不全がありますが、これは心臓の機能が低下して、全身に十分な血液を送り出せなくなった状態を指します。

心不全によって心臓が血液をうまく循環させられなくなると、息苦しさやだるさ、動悸などのさまざまな症状が見られます。血行が悪くなることで、浮腫みが生じることもあるのです。

腎臓

腎臓は、老廃物を尿と一緒に排泄する役割や、体内の水分を一定に保つ役割などを担っています。しかし、腎臓の機能が低下して、老廃物を上手に排泄できなくなる状態を腎不全といいます。

体内に不要な水分や有害なものがたまってしまうと、血行が悪くなり、浮腫みへとつながるのです。

リンパ

リンパ液が何かしらの原因で停滞し、リンパ浮腫といわれる浮腫みが生じていることもあります。リンパ浮腫は発症すると治りにくいため、予防や早期発見による治療を受けることが大切です。

リンパ浮腫の原因としては、がんの治療として行うリンパ節の切除や、放射線治療が挙げられます。ただし、原因がわからないこともあるでしょう。

静脈

静脈は血液が心臓に戻るときの通り道であり、血液の逆流を防止するための逆流防止弁があります。しかし何らかの原因で逆流防止弁の機能が低下すると、静脈の流れが悪くなり、血管が膨らんで浮腫みが生じます。足の血管が瘤状になる症状を、下肢静脈瘤といいます。

浮腫みに対する施術

さまざまな要因から浮腫みが起こりますが、慢性化すると気だるさや疲労感、冷えなどの不調につながる可能性があります。下肢静脈瘤などの原因となることもあるため、浮腫みに悩む場合は、プロによる施術を受けてみるのもひとつの方法です。

以下に紹介する施術方法では、体の緊張を緩和し、血行を促進することで浮腫みの改善が期待できます。

筋スラッキング療法

スラッカーと呼ばれる器具を使って治療する方法です。疲労がたまると、血液やリンパ液などの体液がたまりやすくなりますが、筋スラッキング療法によって体液が滞った部分を解消して、循環不全の改善効果が期待できます。

筋スラッキング療法では、各筋肉に波動を与えることで筋肉と皮膚の間に隙間を生じさせ、血液やリンパの流れをスムーズにしてくれます。皮膚表面だけでなく奥深くまでアプローチが可能で、筋肉をゆるめてリラックスさせる効果もあります。

骨格矯正

猫背や足を組む癖などの姿勢不良や、運動不足などによって体の骨格がゆがむことがあります。骨格矯正は、こうしたバランスが崩れた骨格を整えていくものです。

猫背などの悪い姿勢を続けていると、内臓の位置が下がり、足の付け根にある血管やリンパ管が圧迫され、血液やリンパ液、水分などの流れが悪くなってしまいます。

骨格矯正によって姿勢や体のバランスが整うと、内臓の位置が戻り、血流が改善されて浮腫みの解消につながります。

反り腰や猫背などの姿勢不良は、浮腫みのほかにもさまざまな不調の原因となります。こちらの記事では、姿勢チェックの方法や姿勢不良の改善方法などを詳しく解説しています。

物理療法

レーザーなどの光線や温熱、電気、超音波、マッサージなど、物理的なエネルギーを利用して治療する方法です。物理療法の目的はさまざまで、痛みの緩和やリラクゼーション、体の循環の改善や浮腫みの軽減などが挙げられます。

たとえば温熱療法では、患部やその周辺を温めることによって血流状態をよくします。電気刺激による治療では、低周波や干渉波などを用いて患部の状態に適した電流を流すことで、機能回復や症状の改善を目指します。

キネシオテーピング

伸縮性のあるテープを患部に貼り、筋膜などの機能を改善させて体の不調を軽減させるテーピング法です。キネシオテックスと呼ばれる、キネシオテーピング専用テープを用いて、痛みの緩和や、ゆがみの調整、体液の循環の改善効果などが期待できます。

キネシオテーピングでは、テープを患部に貼ることで皮膚とその下の組織間の隙間を広げ、体液の循環をサポートします。それにより、たまった状態の血液やリンパ液の循環がスムーズになることで、浮腫みの改善につながるでしょう。

自分でもできる浮腫み解消法

浮腫みが気になるときは、自分でできる解消法を試してみてはいかがでしょうか。自宅でできる浮腫み解消法を4つ紹介します。

冷水と温水を用いた洗顔

朝起きて鏡を見ると、まぶたや顔全体に浮腫みが出ていることもあるでしょう。そんなときは、冷水と温水を交互に使って洗顔すると、血行が改善されて浮腫みの解消へとつながります。

冷水と温水を交互に使うことで、短時間で血管が収縮と拡張を繰り返します。肌表面の血流が活性化し、細胞に栄養や水分をしっかりと届けられることから、浮腫み解消だけでなく美肌効果も期待できます。

時間がない場合などは、お湯、冷水、タオル2枚を用意して、お湯と冷水それぞれにタオルを浸してしぼり、2枚のタオルを交互に顔に当てる工程を繰り返します。

簡易マッサージ

簡単なマッサージをするのもおすすめです。摩擦を防ぐために、マッサージする部位や手にクリームなどをつけて行います。

顔の浮腫みが気になる場合は、顔の中心から外側に向かってやさしくマッサージします。耳の横あたりから首の横をさするように流し、鎖骨上のくぼみをやさしく押しましょう。

体の浮腫みが気になる場合は、心臓から遠い部位から近い方に向けてマッサージします。浮腫みやすい関節の周辺も忘れずに流しましょう。

湯船での入浴

入浴をシャワーで済ませるケースもありますが、浮腫み解消のためにはゆっくりと湯船に浸かって体を温めるのがおすすめです。体が冷えていると血流が悪くなるため、温めて血行をよくしましょう。

湯船にためたお湯の水圧が体に適度な圧をかけ、たまった水分をスムーズに流す効果も期待できます。湯温は38~40度のぬるめで、10~15分程度浸かることで、体の深部から温められるでしょう。

カリウムを多く含む食材の摂取

カリウムには、塩分であるナトリウムを尿として排出するはたらきがあります。浮腫みの原因にもなる塩分を体外へと排出できるため、浮腫みの解消効果が期待できます。

野菜や果物、海藻といった植物性食品に、カリウムが多く含まれています。ほうれん草、枝豆、人参、バナナ、メロン、ひじき、わかめなど、カリウムが含まれる食品を積極的に摂取しましょう。

カリウムは水に溶ける性質があるため、水にさらすことは避け、レンジで加熱するなどの工夫をすることで効率的に摂取できます。

まとめ

浮腫みとは、体に余分な水分がたまった状態を指します。体内の水分には、細胞に栄養を届け、老廃物を除去するなどの役割がありますが、水分の流れのバランスが崩れると、浮腫みが引き起こされてしまうのです。

塩分の摂りすぎやアルコールの飲みすぎ、睡眠不足や運動不足などの習慣が続いていると、浮腫みやすくなります。浮腫みが慢性化すると気だるさや疲労感などの不調が出ることもあるうえ、病気のサインの可能性もあるため注意が必要です。

腰痛Laboはちおうじでは、筋スラッキング療法、骨格矯正、物理療法、キネシオテーピングで体の緊張をほぐして血行を促進し、浮腫みの改善を行っています。浮腫みに悩んでいる方は、ぜひ一度相談してみてはいかがでしょうか。