空と私の体は日替わり天気。気象病の症状や治し方を紹介

2023年7月25日 その他の症状など

天気や気圧の変化によって、頭痛やめまいなどの不調が出ることがあります。気候の変化によってさまざまな不調が引き起こされる気象病は、体や精神的な面で症状が出ることがあり、症状の内容や程度は人それぞれです。

今回は、気象病の症状や原因、治し方を解説します。日頃の生活における対策方法も紹介するので、できることから始めてみましょう。

気象病の特徴

気圧や気温、湿度、雷、風などの気候の変化によって引き起こされる不調を気象病と呼びます。気象病の具体的な症状や、症状を引き起こす原因、気象病になりやすい人の特徴を見ていきましょう。

症状

一般的に気象病で見られる症状には、片頭痛や緊張型頭痛といった頭痛、関節痛、腰痛、膝痛、肩や首のこり、むくみ、吐き気、気管支喘息、古傷の痛みなどがあります。

気分の落ち込みや倦怠感、集中力や注意力の低下、イラつきなどの精神的な症状が見られることもあるでしょう。めまいや動悸などの症状が発露する方もいるほか、もともと頭痛や関節痛に悩んでいる場合、症状が悪化するケースもあります。

気象病の症状は人によって異なるうえ、症状の程度も変わってきます。少し休めば治まるような軽度なものから、日常生活に支障をきたすほどの重い症状までさまざまです。

さらに、気圧や気温がどのように変化すると症状が見られるのか、どのタイミングで症状が出るのかといった点も、人によって異なります。

原因

気象病のメカニズムははっきりとわかっていませんが、自律神経の乱れが関係しているといわれています。自律神経は、とくに気圧の変化の影響を受けやすいと考えられています。

自律神経とは、体の機能を調整する神経の総称で、人間の意思とは関係なくはたらき、体内をベストな状態に保てるようにしてくれるものです。

自律神経には、緊張や興奮したときに優位になる交感神経と、リラックス時に優位になる副交感神経の2つがあります。それぞれがバランスをとりながら体の調子を整えますが、このバランスが乱れると、さまざまな不調を感じやすくなります。

気圧の変化は、耳の奥にある内耳が感じとるといわれています。内耳の機能が敏感にはたらくと、自律神経のバランスが乱れる原因となるのです。

また、皮膚や粘膜によって温度や湿度の変化を敏感に感じとると、刺激となって自律神経のバランスを乱す原因になります。冷たい空気にさらされると全身の血管が収縮して血行が滞り、肩こりや首こりにもつながります。

気象病になりやすい人

以下のような体質や特性をもつ人は、気象病になりやすいため注意しましょう。

・エアコン環境で過ごすことが多く、体が温度や湿度の変化に慣れていない
・普段からあまり運動をしない
・乗り物酔いをしやすい
・ストレスを感じやすい性格である
・定期的に片頭痛などの頭痛がある

子どもから高齢者まで、どの年代の人も気象病になる可能性があります。男性よりも女性の方が多い傾向にあるのが特徴です。

気象病と類似した症状が表れる病気

気象病ではさまざまな症状が見られますが、似たような症状が見られるほかの病気もあるため、区別がつかないこともあるでしょう。似た症状が見られる病気を2つ紹介します。

メニエール病

メニエール病は、内耳にある三半規管周囲のリンパ液の循環が鈍ることで、引き起こされる病気です。耳がつまったような違和感や聴力低下、回転性のめまい、耳鳴り、吐き気、嘔吐等の症状が見られます。

いったんは症状が治まっても、ストレスや疲れがきっかけで再発する可能性もあります。メニエール病は、自律神経のバランスの乱れも関係しているといわれています。

めまいや吐き気を抑える薬を用いた薬物療法や、鼓膜に穴をあけて薬剤を注入する治療法、手術や整体などの治療法があり、症状の度合いや患者の希望に応じて行われるのが一般的です。

2015年までは難病法の対象でもあったメニエール病について、こちらの記事でさらに詳しく解説しています。ぜひあわせてご覧ください。

自律神経失調症

体の機能をコントロールする自律神経のバランスが崩れることで、心身ともにさまざまな症状が見られる病気です。

動悸や息苦しさ、吐き気、下痢、便秘、耳鳴り、めまい、立ちくらみ、目の疲れ、手足の痛みやしびれ、全身の倦怠感、不眠、情緒不安定など、いろいろな症状があります。

自律神経失調症は、ストレスや生活習慣、女性ホルモンと関係しているといわれています。症状を緩和する薬物療法や、生活環境を整える生活療法、精神療法などでアプローチをして、治療するのが一般的です。

気象病の治療法

気象病の治療法を4つ紹介します。ここで挙げた施術方法で体の緊張をほぐすことにより、天気の変化で体にかかる負担を軽減し、天気や季節の変わり目に起きる不調の改善を期待できます。

筋スラッキング療法

スラッカーという、電磁石の反発を利用した器具を使って治療します。高頻度で叩くような刺激から生じる波動によって、皮膚表面だけでなく体の奥深くまでアプローチして、筋肉の痛みなどを改善します。

強い力や刺激を加えるわけではないため、基本的に痛みはありません。このスラッカーの波動刺激によって、さまざまな効果が期待できます。

関節のずれを改善させたり、筋肉をゆるめてリラックスさせたり、硬くなった筋膜をほぐしたりできるため、腰痛や肩こりにも効果を発揮するでしょう。血液やリンパ液などの体液の流れをよくして、循環不全の改善も可能です。

骨格矯正

本来、体は左右のバランスが整っているはずですが、猫背や足を組んで座るなどの悪い姿勢を続けることや、運動不足などが原因で、ゆがんでしまうことがあります。

骨格の傾きやゆがみによって頭の重さを支えきれなくなり、首や肩周辺の筋肉が固まって、肩こりや首こり、さらには腰痛などの症状につながることもあるでしょう。

骨格矯正では、固まった筋肉をほぐして骨格を正しい位置に整えます。骨格の傾きやゆがみを改善することで、肩こりや腰痛などの不調、便秘や冷え性、むくみなどの改善に効果が期待できます。

物理療法

温熱や光線、電気、超音波、マッサージなど、物理的な力を利用した治療方法です。体の痛みをやわらげる効果や、リラックス効果、むくみや循環の改善効果などが期待できます。

物理療法にはいくつか種類があります。温熱療法では患部やその周辺を温めることで、痛みの軽減や筋肉の緊張状態の改善、血流改善を図ります。

電気刺激療法は、患部の状態に合った電流を流し、回復を目指すものです。超音波療法では、痛みの改善や柔軟性の改善、血流をよくする効果、むくみの軽減などが期待できます。

キネシオテーピング

粘着・伸縮性のあるテープを患部に直接貼り、筋膜を中心とした機能改善によって、痛みの緩和やゆがみの調整などを行うテーピング法です。キネシオテーピングを行うことで、痛めた筋肉や固くなった筋肉の機能を正しく戻す効果が期待できます。

血液やリンパ液の循環が滞ると、肩こりや冷え性などの原因になりますが、キネシオテーピングによって皮膚とその下の組織間の隙間を広げられ、循環を改善することも可能です。そのほかにも、痛みを抑える効果や関節のずれを改善する効果なども期待できます。

普段の生活でできる気象病対策

気象病対策は、自律神経のバランスを整えることが基本です。日常生活で気をつけたいことを4つ紹介します。

体内時計のリズムを崩さない

脳や全身の細胞には体内時計が備わっており、昼夜の変化に応じて体内の環境を変動させています。体内時計のリズムが崩れると、自律神経の乱れにつながりかねないため、生活リズムを整えることが大切です。

体内時計のずれをリセットできるのは、朝だけであるといわれています。就寝時間が遅くなったとしても、朝はできるだけ決まった時間に起床して、朝日を浴びましょう。朝食、昼食、夕食はきちんと食べ、食事の時間はなるべく同じ時間帯にします。

体内時計を調節するためには、寝る時間よりも起きる時間が大切とはいえ、夜更かしはなるべく避け、早寝早起きの習慣を身につけるのがおすすめです。

バランスよく食べる

偏った食生活を続けていると、体の機能を調整するために必要な栄養素が不足し、自律神経の乱れを引き起こす可能性があります。糖質、たんぱく質、脂質をバランスよく摂取しましょう。

体の調整機能をサポートするビタミンやミネラル、赤血球やホルモンの材料であるたんぱく質などは、とくに不足しないように注意します。

さらに、偏った食生活は、腸内環境も悪化しやすくなるため注意が必要です。腸内環境の乱れは自律神経の乱れにもつながるので、ヨーグルトや納豆、野菜類や海藻類といった、腸内の善玉菌を増やす食べ物を摂取するとよいでしょう。

血行をよくする

運動不足や衣類の締め付け、水分不足などは血行を悪くする原因になりますが、血行が悪くなると自律神経の乱れにつながるおそれがあります。日頃の生活のなかで、血行をよくする習慣を取り入れましょう。

ストレッチやマッサージによって、筋肉の緊張をゆるませるのもおすすめです。軽い運動をすると、筋肉がほぐれます。

血行促進をサポートする食べ物を積極的に摂取するのもひとつの方法です。ビタミンEは血管の拡張を促してくれるため、アーモンドなどのナッツ類やうなぎ、かぼちゃといった食材を取り入れましょう。

天気予報や体調管理に役立つアプリを取り入れる

あらかじめ天気の変化を知っておくことで、不調に備えることができます。日々の天気や気圧の変化を知るために便利なアプリも提供されているため、上手に活用するのもおすすめです。

天気や気圧などの情報が分かるだけでなく、メモ機能に体調の変化や服薬の内容などの記録がつけられるアプリや、気象病に関する注意を促す通知を受け取れるアプリなら、便利に使えるでしょう。

こうしたアプリは、自身がどのタイミングで不調を感じやすいのかを知ることにも役立ちます。無料で利用できるものもあるため、試してみてはいかがでしょうか。

まとめ

気象病とは、気圧や気温などの気候の変化によって引き起こされる不調のことです。頭痛や腰痛、膝痛、肩や首のこり、古傷の痛みなどの体に出る不調だけでなく、気分の落ち込みや倦怠感、イラつきなどの精神的な症状もあります。

気象病は、自律神経の乱れと関係しているといわれています。バランスのよい食事や適度な運動など、日頃の生活習慣の見直しは、自律神経を整えることに役立ちます。

腰痛Laboはちおうじでは、気象病に対して、筋スラッキング療法、骨格矯正、物理療法、キネシオテーピングなどの治療法を採用しています。

体の緊張をほぐし、天気の変化による体への負担を軽くして、天気や季節の変わり目の不調を改善していきます。気象病に悩んでいる方は、ぜひ一度相談してみてはいかがでしょうか。