ご機嫌ななめ?姿勢もななめ?股関節痛
2023年10月30日 下肢の関節障害
股関節痛は、放置すると変形性股関節症に悪化したり、ほかの箇所への影響が見られたりするおそれがあります。そのため、セルフケアだけではなく、場合によってはクリニックでの治療が求められるでしょう。
そこで本記事では、股関節痛の原因と症状、痛みを緩和する方法をご紹介します。そのほか、股関節痛でやってはいけないことや治療すべきタイミングをお伝えするので、股関節痛でお悩みの方はぜひ参考にしてください。
股関節痛とは
股関節痛とは、骨盤と大腿骨の頭部が結合している股関節の周囲や内部で、痛みが生じる状態を指します。座ったり歩いたりする何気ない動作で、痛みが生じやすいです。
そもそも股関節は、大腿骨の頭部が骨盤の臼蓋にはまっている構造になっています。立ったり歩いたりする際に受ける衝撃を吸収し、歩く・走る・座るなどの動作をスムーズにサポートする役割があります。
この股関節に負担がかかると、股関節痛が生じやすくなります。股関節のクッション性が劣ることで、歩いたり座ったりなどの日常動作が制限されてしまうおそれがあります。
股関節痛の原因と症状
股関節あたりが痛む方は、まずは股関節痛の症状や原因を把握しましょう。ここでは、股関節痛が生じる原因や症状をご紹介します。
原因
股関節痛は、股関節部分の軟骨がすり減ることが原因で生じるケースが多いです。股関節のクッション性がなくなることで、股関節部分が炎症したり変形したりする場合もあります。
股関節部分の軟骨がすり減る原因は、重労働や過度な運動、肥満などです。スポーツ選手のなかには、外傷によって股関節痛が生じてしまう方もいます。また、子どものころから股関節痛につながる要因を持っており、成長してから症状が現れるといったケースもあります。
症状
股関節痛は、主に太ももの付け根まわりに違和感を覚えたり、痛みが生じたりする症状が特徴的です。股関節周囲の痛みだけではなく、尻や太もも、膝まで痛みが生じる可能性があります。股関節以外の箇所に痛みが生じる場合、股関節痛であると気づけない方がいるでしょう。
また、股関節痛が生じた際、左右に揺れる歩き方も症状のひとつです。激しい痛みが急に生じるわけではないので、無意識に症状が進行することもあります。普段から歩き方に違和感があると指摘されたことがある方は、股関節痛を疑うとよいでしょう。
股関節痛を和らげる方法
股関節痛が生じた場合、症状を和らげる方法を試してみてはいかがでしょうか。ここでは、股関節痛を緩和する方法を3つご紹介します。
股関節への負担を減らす
股関節痛が生じるということは、股関節に大きな負担がかかっているといえます。そのため、股関節への負担を減らして痛みを和らげることが大切です。
股関節への負担を軽減するには、まず低い姿勢からの立ち上がりをなるべく避けましょう。高さのある寝具を用いたり、和式よりも洋式を導入したりすることがポイントです。立ち上がる際の負担を軽減するために、基本的に椅子に座って作業したりテレビを見たりするとよいでしょう。
また、普段の生活のどの部分を改善すべきかわからない場合は、病院やクリニックのプロに相談することがおすすめです。肥満が原因で股関節痛が生じている場合は、健康的な減量のサポートを行います。
ストレッチをする
股関節痛でお悩みの方は、股関節に特化したストレッチを行ってみましょう。股関節まわりの筋肉をほぐすことで、股関節がスムーズに動くようになり、痛みを和らげる効果が期待できます。ただし、即効性を高めるために、無理やり伸ばさないように注意しましょう。
即効性を高めたい場合や正しい方法で痛みを緩和したい場合は、病院やクリニックのプロによる施術を受けることがおすすめです。ストレッチ方法を間違えると、かえって痛みが増してしまうおそれがあるでしょう。
また、プロの施術では、医療機器を使った治療もできます。ストレッチと合わせて医療機器による治療を受ければ、より痛みを和らげる効果が期待できます。
ただし、1回の通院では短時間しか作用が続かないケースがあるので、本格的に鎮静化するまで、定期的に通院することがポイントです。
適度な運動をする
股関節痛が生じている場合、運動を控えたほうがよいと考える方がいますが、適度な運動を行うことが大切です。運動を避けることで、さらに股関節まわりの筋肉が固まってしまい、症状が悪化するおそれがあるためです。
股関節痛の悪化を防ぐために、適度な運動で筋肉を鍛えることを意識しましょう。症状の進行を抑えるだけではなく、股関節への負担を軽減する効果も期待できます。
またウォーキングやジョギングでは、股関節や膝などの痛みが増してしまうという方もいるでしょう。その場合、浮力で股関節への負担を軽減できる水中歩行がおすすめです。股関節への負担を考慮した運動方法は、病院やクリニックのプロからも指導してもらえます。
股関節痛でやってはいけないこと
股関節痛でお悩みの方は、重い荷物の持ち運び、長時間の立ち仕事、スクワットなどの膝を曲げ伸ばす動き、長時間のあぐらや正座をしないようにしましょう。これらの行動は、股関節に大きな負担を与えてしまいます。
重い荷物を運んだり、長時間立ち仕事したりすると、変形性股関節症へと悪化してしまうおそれがあります。あぐらや正座は、股関節に不自然な圧をかけてしまうので、股関節痛に不向きな体制です。
長時間あぐらや正座を継続することで、股関節まわりの筋肉が収縮して、さらに凝り固まってしまいます。股関節への負担を軽減するために、あぐらや正座ではなく、椅子に座って過ごすとよいでしょう。
股関節痛を治療すべきタイミング
股関節痛の症状が2週間以上続く場合は、速やかに病院やクリニックで診断を受けることをおすすめします。普段の生活での歩行や階段の上り下りが苦痛だという場合も、病院やクリニックで診てもらうとよいでしょう。
また、股関節痛が生じたきっかけによって、緊急性が異なります。たとえば、日頃の運動や労働が原因の場合よりも、転んだときに股関節を打撲して痛みを覚える場合のほうが、より緊急性が高いです。
そのほか、股関節痛とともに発熱や歩行困難などの症状が見られれば、すぐに専門機関で治療しましょう。
腰痛Laboはちおうじの治療法
腰痛Laboはちおうじでは、股関節痛に対してさまざまな治療法を取り扱っています。ここでは、筋スラッキング療法、物理療法、骨格矯正、キネシオテーピングを使った股関節痛の治療法をご紹介します。
筋スラッキング療法
筋スラッキング療法とは、股関節まわりの筋肉をほぐす治療法です。ストッカーと呼ばれる器具を使用することで、強く叩いたり揉んだりせずに、筋肉に振動を加えてほぐすことができます。
皮膚の表面だけではなく、深い部分まで超高速の振動を届けることが可能です。そのため、手技によるマッサージやストレッチでは改善が見られない場合に、とくにおすすめです。
また筋スラッキング療法は、股関節痛の治療だけではなく、肩こりや腰痛などにも効果が見られるケースがあります。筋肉をほぐすとともに、リンパや血液の流れを整えられる効果も期待できます。
物理療法
股関節痛に対する物理療法は、電流や振動を放つ機器を用いる治療法です。医療機器を使って治療を行うことで、股関節まわりの筋肉に直接刺激を与えられます。自宅でのストレッチやマッサージとは異なり、高い即効性が期待できるでしょう。
機器のなかには、電流や振動による刺激を与えながら、患部を温められるものがあります。固まった筋肉を温めることで、緊張を和らげてリラックスさせる効果が期待できます。温めながら電流などの刺激を与えると、より高い効果が得られる可能性があるでしょう。
また物理療法では、スタッフによる施術が受けられます。股関節以外に施術したい箇所がある場合、自分では届きにくくマッサージできない箇所も任せられます。
骨格矯正
骨格矯正とは、体の歪みを改善して全身のバランスを整える治療法です。骨格矯正の内容は患者さん一人ひとりで異なり、症状や体質に合わせて施術を行います。体のズレた部分を本来の場所に戻すことで、痛みを改善する効果が期待できます。
骨格矯正と聞くと、骨の音が鳴るほど強い力で押されるとイメージする方がいるのではないでしょうか。強い力を加えて矯正するものではなく、音がボキボキ鳴ることはありません。
また股関節痛の治療だけではなく、長期間続いている腰痛や頭痛などにも効果が見られるケースがあります。骨格矯正は、血行促進により神経の働きを整える目的もあります。
キネシオテーピング
キネシオテーピングとは、筋肉の働きをサポートして怪我の予防が期待できるテーピングです。股関節痛の治療に使用することで、股関節まわりの筋肉をサポートし負担の軽減が期待できます。
キネシオテーピングを使って股関節痛の症状を和らげる治療は、自然療法に当てはまります。自然治癒能力を強化することが目的であり、物理療法や外科的手術などを受けることに抵抗がある方におすすめです。
また、キネシオテープは、人体の皮膚や筋肉に近い伸縮性に優れています。かぶれにくく、通気性にも配慮されているため、股関節痛の治療のほかに、体の歪みを調整したり、リンパや血液の流れを整えたりすることを目的に用いられています。
とくに、スポーツ選手が使っているケースが多く、キネシオテープを用いた治療法は世界中での使用実績があるのも、安心できるポイントでしょう。
こちらの記事では、股関節や膝関節に痛みが生じることもある、変形性関節症について解説しています。ぜひあわせてご覧ください。
まとめ
股関節痛は、その名のとおり股関節まわりに痛みが生じる症状を指します。日頃のストレッチや適度な運動で、痛みが緩和されるケースがあります。
ただし、股関節痛を放っておくと、変形性股関節症へと症状が進行したり、腰や膝などの股関節以外の箇所が痛んだりするおそれがあるでしょう。そのため、股関節に痛みや違和感を覚えた際には、病院やクリニックでの診察をおすすめします。
腰痛Laboはちおうじでは、股関節痛のほかに、腰痛や頭痛、肩こり、眼精疲労、猫背などのさまざまな症状に合った治療や施術を行っています。体の不調や違和感が気になる方は、ぜひ腰痛Laboはちおうじにご相談ください。