ジワジワ迫ってくる変形性関節症(股関節・膝関節)

2023年10月30日 下肢の関節障害

股関節や膝関節の痛みは、生活習慣での動きの癖や加齢など、さまざまな原因があります。しかし、こうした関節の痛みの原因で最も多いのは、変形性関節症によるものでしょう。

さまざまな原因で各関節の軟骨がすり減り、徐々に関節が変形したために痛みが出てしまい歩きにくくなるなど、生活に支障が出るケースが少なくありません。はじめのうちは軽い痛みだったとしても、階段を登り降りし始めると痛むなど、運動機能の低下を引き起こします。

さらに症状が進むと、人工関節への置き換えなどを招くおそれもあります。そこで今回は、変形性関節症についてご紹介するとともに、発症しやすい人の特徴や治療法を解説します。

股関節と膝関節の関係

股関節と膝関節は密接な関係にあります。たとえば、股関節に痛みがあると無意識にかばって、膝関節に負担をかけてしまうケースが挙げられるでしょう。

また、こうした関節痛をそのまま放置しておくと、O脚やX脚の原因になることがあります。片方の股関節が内股になっている場合、内股になっているほうの膝が外反したり、股関節が内股になっていない方の膝が内反したりします。

そうなると、次第に膝関節の違和感や痛みが出てきて、本来は股関節の病気であるにも関わらず、膝まで悪化することも珍しくないのです。

もちろん、股関節の病気だけが原因ではなく、猫背や骨盤の傾きなど、要因がほかにある場合もあります。とはいえ、股関節と膝関節は、どちらに疾患がある場合でも影響し合う関係のため、症状を放置せず、早めの状況把握と治療が大切です。

変形性関節症とは

変形性関節症は50~60代に発症することが多く、運動器症候群のなかでも歩くことに関与す疾患です。一般的には、膝や股をはじめ、手指や足・脊髄などに生じます。

1990年から約30年の間に10%近く罹患者が増え、今後の日本では、高齢化にともない患者数が増加すると予測されています。

また、変形性関節症は一次性と二次性に大きく分かれています。それぞれの特徴や症状を確認していきましょう。

一次性関節症

一次性は、原因がはっきりしない関節痛と診断されることが珍しくありません。加齢や肥満・運動不足などにより発症することも多いです。主に、60代から80代くらいまでの女性に多い傾向があります。

また、仕事で重労働をしていた方や長年スポーツをしていた方は、そうしたライフスタイルが影響することもあります。このように、一次性関節症は原因の特定が難しく「年だから」という理由で痛みを我慢する人も少なくありません。

二次性関節症

二次性関節症は、怪我や病気などによる関節構造の損傷によって発症します。一度変形してしまうと元通りにすることはできませんが、早めに適切な治療を受けることで、痛みや腫れの軽減や症状の進行を抑えることが可能です。

また、一次性関節症の方の場合、軟骨の変性や摩耗・関節の周りの骨の増殖性変化の影響で、二次的に関節のなかに炎症を起こすこともあります。痛みや腫れのほかに、水が溜まる、可動域が狭くなるといった機能障害を起こす場合もあります。

変形性関節症を発症しやすい人の特徴

変形性関節症は股関節や膝関節のみならず、手指や頚椎などに発症することもあります。発症する部位により、男女比や年齢にも違いがあります。ここでは、発症しやすい人の特徴をチェックしていきましょう。

既往歴がある人

過去に怪我や病気をした経験がある既往歴があると、変形性関節症の原因になることがあります。

たとえば怪我なら、関節周りの骨折や靭帯損傷・膝半月板の損傷など、関節のなかの損傷がある場合は注意が必要です。半月板損傷や前十字靭帯の損傷は、とくに危険因子とされています。

また、発症に影響する病気としては、関節リウマチや偽通風など複数の病気が挙げられます。関節のなかに炎症を起こす病気のほか、結晶が沈着するような病気も誘因因子となる可能性が高いです。

土木業や農作業に従事している人

土木作業や農業など、膝や腰への負担が大きい重労働をしていた場合、変形性関節症を誘引する可能性があります。たとえば、重たいものを持つことが多い仕事なら、膝や腰への負荷がかかり軟骨がすり減るなど、それぞれの関節構造も変化していきます。

はじめのうちは、ハードに関節を使いすぎた後に痛みが生じ、安静にすると収まる程度で済んでいても、関節の曲げ伸ばしをしたときに痛みが生じる、骨が当たるような音がするなど、徐々に症状が出るケースも多いです。

スポーツ選手や活動している人

意外にも、スポーツ選手や日頃からアクティブに活動している人にも変形性関節症のリスクはあります。野球選手に多いのが肘の症状で、ボールを投げるときに肘を過度にひねることから、痛みを生じるケースがあります。

そのほか、片足を軸にして回転や方向転換をするようなバスケットボールや、バドミントン・ダンスなど、比較的ハードなスポーツの場合も負担がかかります。

たまに楽しむ程度のスポーツでも、長い年月をかけて徐々に軟骨へのダメージが蓄積されていき、50代~60代になってから発症することも少なくないのです。日頃から趣味の一環として楽しむ程度であっても、関節への負荷が大きい種類のスポーツには注意が必要です。

筋力不足の人

筋力の衰えは、変形性関節症の代表的な原因です。たとえば膝関節なら、大腿四頭筋という筋肉や膝周辺の筋肉が衰えると、関節の安定性を保てなくなります。

また、筋肉により衝撃を和らげることができなくなるため、直接体に負荷がかかり、症状を発症しやすくなる傾向があります。60代以降の女性が発症しやすい理由として、筋力不足になりやすいという説もあるので、筋力維持のために適度な運動をおすすめします。

肥満体型の人

肥満や筋力不足は、長年、変形性膝関節症のリスク要因とされています。平地を歩く際の膝関節への負荷は、1キロ体重が増えると2~3キロ増えると言われており、階段昇降ではこの20~30倍の負荷になると言われています。

肥満によって体重が多いほど、日常的にリスクが高くなると言えるでしょう。また、太って体が重たいからといって、運動を避けたがる人も多いです。その場合、肥満と筋力不足の両面から発症のリスクを抱えることになるため、非常に危険な状態と言えるでしょう。

肥満で日頃から運動習慣がない方は、今は症状が何もなくても、少しずつ食事を見直して体重を減らし運動習慣をつけるなど、将来への備えをしておくことをおすすめします。

変形性関節症を放置するリスク

変形性関節症は、痛みを感じるまではほとんど気づかないことが多く、多少痛みが出てきたとしても急に激痛が走るようなことは多くありません。そのため、歩行中や階段の上り下りで少し痛みを感じはじめても、歩き過ぎたから、最近運動不足だからと考え、気づかずに放置してしまうこともあるでしょう。

しかし、痛みが少ない状態でも関節の隙間が狭くなって軟骨が減っていき、いずれは歩くことや、正座をすることも困難になります。膝関節に症状が出た場合は、膝の曲げ伸ばしができなくなる、歩くときに片足を引きずる、ゆっくりでしか歩けないといったことにもなりかねません。

そのため、年齢や生活習慣、肥満など変形性関節症になりやすい条件がある方は、早めに原因を確かめることをおすすめします。もし、薬物を使いながら筋力トレーニングや体重コントロールを行って、今以上の進行を食い止められるとすれば、将来的に人工関節に置き換える必要もなくなるでしょう。

腰痛Laboはちおうじの治療法

腰痛Laboはちおうじでは、変形性関節症に対する治療を行っています。受診時点での変形度合いを確認し、改善に向けた施術を行っています。

この病気は、痛みの強さや症状に個人差があるものの、痛みが我慢できるからといって何もしなければ、どんどん悪化していきます。進行すれば、人工関節への置き換え手術が必要となるなど、将来の関節へのリスクが高まるでしょう。

当院では、筋スラッキング療法、カイロプラクティックのトムソンテクニック、物理療法を使った、関節への負担を減らす治療を行っています。

関節の変形やほかの部位へのストレスも軽減できるので、股関節の痛みや膝関節の痛みが気になる方は、ぜひ治療することをおすすめします。

筋スラッキング療法

腰痛Laboはちおうじは、八王子で唯一、筋スラッキング療法を行える医院です。筋スラッキング療法は、1秒間に1,800回も振動を発する電気器具を使用した治療法で、筋肉の深部に刺激を与えて血流促進を促し、筋膜や筋肉の本来の機能を取り戻すことが期待できます。

専用の電子機器を使用するため、手技ではアプローチが困難な部分にも深く働きかけることができる点も大きなポイントです。血流促進とともに、リンパの流れもよくなることで、疲労物質の排出や痛みの鎮静にもポジティブな影響を与えます。

また、筋肉に柔軟性を与えるので、関節のずれから来る痛みなどにも効果が期待できるでしょう。変形性関節症が気になる場合も必要に応じて治療します。

カイロプラクティック

カイロプラクティックは、関節・筋肉・神経を通して不調を取り除く手当て療法です。主に、緊張している筋肉をほぐし、ストレッチを行うことや、可動域が狭くなっている関節にもさまざまな角度から可動域改善のためのアプローチを行います。

当院では、国際基準のカイロプラクティックを履修したスタッフが施術を行い、専用のベッドを用いたトムソンテクニックも提供しています。

体を固定する特殊なベッドを使用し、体が落下する力を利用して骨格矯正を行います。股関節周りの痛みや可動域の狭さなど、股関節の悩みにも効果が期待できる治療法です。

子どもから高齢の方まで幅広い年齢層の方に対応しています。股関節や膝関節はもちろん、健康な体づくりをお手伝いします。

物理療法

電気や光・手技など物理的なエネルギーを使って、痛みの軽減や筋肉の機能回復を目指す治療法です。血流促進や心身の緊張を緩めるなどの効果が期待できます。

たとえば、股関節の痛みや膝関節の痛みがあるときは、筋スラッキング療法と手技を組み合わせた物理療法を行います。

腰痛Laboはちおうじでは、八王子で唯一筋スラッキング療法が受けられることに加え、経験豊富なスタッフによる手技の施術を受けられることが魅力です。一人ひとりの症状を確認し、オーダーメイドな整体院として、あらゆる悩みを解決へ導く環境を整えています。

こちらの記事では、関節痛のなかでも股関節の痛みにクローズアップして、原因や対処法を解説しています。ぜひあわせてご覧ください。

まとめ

変形性関節症は、中高年の方がなりやすいと言われていますが、初期症状のうちはほとんど痛みを感じないことが多いので、誰でも発症するおそれがあります。

現在痛みがなくても、関節のなかで軟骨が減ってきている場合や、既往歴や肥満などが原因で症状が出ることもあるので油断は禁物です。

また、痛みが少ないとしても、股関節や膝関節に違和感がある場合は、早めに原因を確かめて適切な治療を受けることをおすすめします。

腰痛Laboはちおうじでは、八王子で唯一、筋スラッキング療法を取り入れています。筋肉の深部まで刺激を与え、血行促進や筋肉の疲労・不快な症状を軽減できるよう、オーダーメイドな治療を提供しています。

そのほか、カイロプラクティックコース・姿勢改善コース・ほぐしコースなども取り揃え、幅広い年齢層の方の健康づくりをお手伝いします。股関節や膝関節の不安がある方はこの機会にぜひ、お気軽にお問い合わせください。