シーソーが安定しない自律神経失調症

2023年12月6日 神経障害


季節の変わり目やストレスによる心身の不調にお悩みではありませんか。

ストレスや生活習慣の乱れを原因として自律神経のバランスが崩れ、心身に不調が現れる状態が自律神経失調症です。症状には個人差がありますが、早めに治療を受けることで早期の改善が期待できるでしょう。

この記事では、自律神経失調症の原因と症状や治療法について解説します。長引く疲労や心身の不調にお悩みの人は、ぜひこの記事を参考に自律神経失調症の治療に臨んでみてください。

自律神経失調症とは

自律神経失調症とは、ストレスや生活習慣の乱れにより、自律神経のバランスが崩れ心身に不調をきたす状態のことです。

自律神経には、身体の動きを活発にする交感神経と身体をリラックスさせる副交感神経があります。この2つがバランスよく機能することで、体内環境を正常にコントロールすることが可能です。

しかし、何らかの原因で自律神経のバランスが崩れてしまうと、心身にさまざまな不調や症状を引き起こしてしまいます。原因や症状に個人差はありますが、不調が長引く場合は、医療機関に相談しましょう。

自律神経失調症のタイプ別|原因と症状

自律神経失調症の症状は、精神症状と身体症状の2種類に分類されます。主な精神症状は以下のとおりです。

・イライラ
・落ち込み
・不安感
・やる気が出ない
・憂うつ感
・焦り

不安障害やパニック障害の症状とも似ているため、自己判断せずに医師に相談するのが重要です。身体症状としては以下の例が挙げられます。

・慢性的な疲労感
・めまい
・頭痛
・動悸
・下痢
・ほてり
・口やのどの不快感
・食欲不振
・寝つきが悪い

症状には個人差があり、複数の症状が同時に現れることもあります。そのため、ほかの病気との区別がつきにくいのも特徴です。

別の病気が隠れている可能性もあるため、なるべく早く医療機関を受診しましょう。また、自律神経失調症は、主な原因によって以下の4つのタイプに分類されます。

・本態性自律神経失調症
・神経症型自律神経失調症
・心身症型自律神経失調症
・抗うつ型自律神経失調症

タイプによって症状の出方や発症しやすい人などが異なります。それぞれの原因や特徴について詳しく確認しておきましょう。

本態性自律神経失調症

本態性自律神経失調症は、生まれつき自律神経のバランスが乱れやすい人に多くみられるタイプです。血圧の低い人や体力に不安を感じる人が発症しやすい傾向にあります。

病的な異常やストレスは関係なく、体質そのものが原因となる場合がほとんどです。食事や睡眠、運動などの生活習慣を整える必要があるでしょう。

神経症型自律神経失調症

神経症型自律神経失調症は、精神的なストレスで体調を崩しやすいタイプです。細かいことに気が付く人や人に頼るのが苦手な人に多くみられます。

また、感受性が非常に強く、精神状態が体調に直結しやすいのも特徴です。ほんのわずかな精神的ストレスでも、自律神経のバランスが乱れ体調を崩しやすいでしょう。

心身症型自律神経失調症

心身症型自律神経失調症は、最も多くの人が発症するタイプです。社会生活のなかで受けた人間関係や仕事のストレスが原因で心身の両方に不調が現れます。

とくに、ストレスや不満を無理に抑え込むことで、心身が疲労し自律神経の乱れにつながる場合がほとんどです。真面目な人や責任感の強い人が多く発症する傾向にあります。

抗うつ型自律神経失調症

抗うつ型自律神経失調症は、心身症型自律神経失調症が悪化したタイプです。慢性的なストレスによる自律神経の乱れから、気分の落ち込みややる気の喪失などのうつ症状が現れます。

また、身体的な症状も強く、微熱や頭痛、だるさ、食欲不振などさまざまな症状が現れるのも特徴です。医療機関を受診しても、身体症状の改善がメインになってしまい、精神症状が改善されず長く苦しむ人も少なくありません。

完璧主義な人や几帳面な人が発症しやすいため、早めに心療内科のような専門機関の受診を検討しましょう。

自律神経失調症はどれくらいで治る?

自律神経失調症は、1か月程度で症状が改善される場合が多いとされています。ただし、症状には個人差があり、数年〜10年以上かかる人も少なくありません。

一般的に、以下の点によって症状が回復するまでの時間が異なる傾向にあります。

・発症してからの期間
・現在の症状と原因
・生活習慣

症状が軽度で早期に治療を始めた場合は、生活習慣を整えたりリラックスする時間を作ったりすれば、数週間程度で回復することもあります。一方で、極度のストレスを受けた人や長期間症状を我慢していた人は、回復まで数年を要してしまうでしょう。

しかし、適切な治療を受けることで、症状は緩和されるため、同じ辛さが続くわけではありません。自律神経失調症の治療は、焦らずに時間をかけて取り組むのが重要です。

自律神経失調症の治療法

自律神経失調症の治療にはどのような方法があるのでしょうか。症状には個人差があるため、自分にあった治療法を医師と相談する必要があります。

主な治療法は以下のとおりです。

・生活習慣の見直し
・ストレスの解消
・薬物療法
・認知行動療法

生活習慣の見直し

自律神経を整えるためには、生活習慣の見直しが欠かせません。

不規則な生活や食生活の乱れ、睡眠不足などは自律神経の乱れの原因です。生活習慣を整えることで、症状を改善させるだけでなく、再発防止にもつながります。

また、多忙な日々が続いている人はゆっくりと休む時間を作るのも重要です。症状を改善させるには十分な休息が欠かせないため、意識的に休む時間を作るようにしましょう。

とくに、副交感神経が優位になる夕方以降に休息を取るのが効果的です。

ストレスの解消

仕事や人間関係のストレスが原因で不調を起こしている場合もあります。症状が軽度であれば、散歩やストレッチなどのストレス解消法を試すのがおすすめです。ほかにも、熱中できる趣味を探してみるのもよいでしょう。

一方で、症状が酷い人や極度のストレスを感じる状況である人は、職場の上司や専門の部署に、配置転換や休職などを相談する必要があります。我慢して働き続けてしまうと、症状が悪化する可能性もあるため気をつけましょう。

薬物療法

生活習慣の見直しやストレス解消に合わせて、個別の症状を緩和させる薬物療法も効果的です。辛い症状が続いているとゆっくりと休めない人も多いため、睡眠薬や鎮痛剤、抗うつ薬などの処方を必要に応じて受けられます。また、病院によっては、漢方を利用することも可能です。

自律神経失調症は、薬物療法だけでは根本的な治療にはなりません。しかし、生活習慣の見直しやストレス解消と組み合わせて治療をすれば、症状の改善につながるでしょう。

認知行動療法

認知行動療法とは、物事の受け取り方や捉え方などを修正して、心の負担を減らしていく心理療法です。元々はうつ病や不安症などの治療に用いられていましたが、現在はスポーツや教育などさまざまな分野で取り入れられています。

基本的に、カウンセラーや医師との面談を繰り返して治療を進めていきますが、セルフで取り組むことも可能です。セルフで行う場合は、ストレスを感じた出来事を記録し、感情や思考の根拠などを客観的に分析していきます。

しかし、自分の思考を客観的に分析するのは簡単ではありません。そのため、カウンセラーや医師などの専門家の力を借りながら、少しずつ思考の癖やズレを修正していくのがよいでしょう。

腰痛Laboはちおうじの治療法

腰痛Laboはちおうじでは、筋肉をほぐし軽い運動を行なうことで、自律神経のバランスを整えていきます。季節の変わり目は自律神経が乱れやすいため、以下の治療法を相談してみてください。

・筋スラッキング療法
・物理療法
・キネシオテーピング

筋スラッキング療法

筋スラッキング療法は、電磁石の反発を利用して1秒に1,800回の振動を発生させるスラッカーを用いる療法です。スラッカーを利用することで、関節のズレと筋や筋膜の両方に効果的にアプローチができます。

従来の手技による治療では、筋肉やその裏側の滞った体液の改善は非常に困難でした。しかし、筋スラッキング療法では、身体の奥深くまで振動を浸透させるため、血行を促進し筋肉の痛みにも効果的です。

また、筋肉を緩める働きもあることから、乱れた自律神経を整える働きも期待できます。

物理療法

物理療法とは、超音波や電気、温熱などの刺激によって血行を改善することで、むくみの改善や痛みの緩和などの効果が期待できる治療法です。

たとえば、近赤外線の照射では痛みの軽減だけでなく、興奮した自律神経を沈める作用があります。それによって頭痛や動機、めまいなどの改善が期待できるでしょう。

また、水圧を利用してマッサージを行うウォーターベッドは、筋肉の緊張を和らげるため、リラクゼーション効果があり、ストレスや疲労を感じている人におすすめです。

キネシオテーピング

キネシオテーピングは、伸縮性のあるテープを痛みや凝りのある箇所に貼ることで、自然治癒力を高め、症状を和らげる治療法です。

一般的なテーピングと異なり固定するわけではなく、弱っている筋肉をサポートし、血行の改善が期待できます。貼るだけで筋肉や組織に隙間ができるため、血流が促進されることで疲労回復にもつながるでしょう。

また、冷え性にも効果的です。テーピングによって凝り固まった筋肉が解れれば、自律神経の乱れも改善していくでしょう。

自律神経失調症に悩む方にとって、体調が安定しない日々は本当につらいものですが、女性にとっては似た症状がある月経前症候群(PMS)も同様の辛さがあります。こちらでは、そんな月経前症候群(PMS)について解説しますので合わせてご覧ください。

まとめ

自律神経失調症は、ストレスや疲労などをきっかけに自律神経が乱れることで現れる心身の不調です。イライラや落ち込みなどの精神症状や頭痛やめまいといった身体症状が複合的に現れる傾向にあります。

早期に治療を開始すれば、生活習慣の見直しやストレス解消に取り組むだけでも症状が緩和される場合が少なくありません。しかし、極度のストレスや長期的に不調が続いている場合は、回復にも時間がかかってしまうでしょう。

腰痛Labaはちおうじでは、物理療法や筋スラッキング療法を利用して筋肉をほぐすことで自律神経を整えていきます。自律神経失調症に悩んでいる人は、ぜひ一度、腰痛Laboはちおうじに相談してください。